校長メッセージ

平安女学院中学校高等学校
校長
今井 千和世

2023年度 始業式 あいさつ (2学期)

今日からいよいよ2学期が始まりましたね。長期休暇明けの気分はいかがですか。
私は、みなさんが事故や事件に巻き込まれずに今日を迎えられたことが何より嬉しいです。

さて、今日は、言葉の力を信じて、「いい言葉」を使う習慣を身に付けて欲しいというお話をします。普段、私たちは空気を意識しないように、言葉も何気なく口にしています。もうずいぶん昔の事ですが、私は同僚から言われた一言で、ひどく傷つき心を患ったことがあります。もちろん私自身の言葉で、人を傷つけたことも少なからずあります。つまり、言葉には、人を励ますこともできれば、人を深く傷つけることもできる力があります。また言葉の力を思うように活用できない経験もあるでしょう。例えば、感情や気分が優先して、自分の思いや考えを正確な言葉で表現できなかった事や、間違った言葉を使ったために誤解されたり、批判されたりなどです。みなさんには、いろんな言い回しや、語彙をたくさん知ってほしいと思うわけですが、今日は、そんな欲張った話ではなくて、自分自身を労う「いい言葉」の紹介です。

なぜ、自分自身を労うのかは、「自分を大切にする人」になってほしいという願いからです。自分を大切にする感情を自尊感情と言います。その力を育むための「いい言葉」です。それは「わかる、わかる」という言葉です。こんな調子です。何か失敗をしたとします。そのために誰かに責められたとします。あなたはどう思いますか。「私が悪かったから仕方ない」と反省するか。それとも「あの人のせいで私が失敗したんだわ」と人を責めるか。「私って駄目な人間だ」と自分を責めて落ち込むか。あなたはどうですか。実は後悔や罪悪感は自分を否定する意識が強くて自分を大切にする感情にはつながらないのです。そこで「わかるわかる」の「いい言葉」で自分を労うのです。失敗に対して「わかる、わかる。まさかそんなこと予想できなかったよね。」「わかる、わかる。そんな状況になるなんて考えも及ばなかったよね。」という具合です。失敗には反省も必要だし、時には自分の非を潔く認めて謝罪することも必要ですが、それだけでなく、自分を労う言葉を自分にかけてやることが自尊感情を低下してしまう防止につながります。
できなかったことや失敗したことばかりに目を向けるのではなくて、少しでもできたことや、わずかに成長したことを自分で気づき、自分に「いい言葉」を投げかけて、自分を労うのです。それはどんな些細なことでもいいのです。それを続けると、やがて、自分のことを「私って頑張ってるよな」と認められるようになり、自分で自分を「価値ある大切な存在」だと思える瞬間に出会うのです。この自尊感情が持てるか持てないかは、人生を歩む上でとても、とても大事です。人生には辛いことや、傷つくことがたくさんあります。そんな時、自尊感情が育っている人は、辛いことを乗り越える力があり、傷をいやす力もあると言われています。同時に、人を大切に思いやる力も強いのです。

2学期は、文化祭を皮切りに、学年毎に多彩な行事が目白押しです。また、学校としての新しい提案もあります。施設や設備の変更もあります。すべてにおいて、あなたの成長に無縁なものは何一つとしてありません。果敢に向き合ってください。そしてその都度「自分を大切にする言葉をかけながら、成長を遂げていってください。応援しています。

2023年8月25日

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